採用戦線
内定辞退続出、選考期間長期化で悲鳴上げる企業
”超売り手市場“となった今年の就職戦線。採用担当者のかつてないほどの悲鳴が上がった。例年なら遅くても6月には採用活動は終了するが、超大手といえども8月になっても計画未達という企業が発生し、2次、3次と追加募集する事態に追い込まれた。
しかも、いったん内定を出しても辞退する学生が続出。とりわけ大量採用を予定し、早々と内定を出したメガバンクは辞退者が例年になく多い。中堅ITメーカーの採用担当者は銀行の内定をもらっている学生と面接し、「うちが内定出したらどうするの?と聞くと『もちろん銀行は蹴ります』と平然と答える。もはや銀行は滑り止め的存在になっているようだ」と指摘する。
大手電機メーカーの採用担当者は「今年は選考試験の長期化という点では今までになく長い。極論すれば、学生が就職活動をやめたと言うまで安心できない状況が続いた」と指摘する。かといってバブル期の採用のように、計画数を達成するために大学生であれば誰でも採用したというわけでは必ずしもない。
一定の質を確保するために選考期間を伸ばすだけでなく、過去の採用実績校をターゲットにOBのリクルーター部隊を結成し、優秀な学生の囲い込みに注力した企業も多い。
例えば、昨年までは理工系学生の自由応募枠を増やす傾向にあったが、今年は逆転。実績校の推薦枠を増やすだけではなく、これまで実績のなかった旧国立2期校を新たに推薦対象校にした大手企業も多かったという。
いずれにしろ、大手企業の激烈な争奪戦のしわ寄せを受けたのは中堅・中小企業だ。深刻な採用難にあえぐ企業は大卒2〜3年目のいわゆる第2新卒者の獲得に積極的に乗り出す一方、新卒紹介予定派遣など、あらゆるツールを駆使して若手人材の獲得に懸命だ。
その影響で人材業界に採用”特需“とでもいうべき現象をもたらしている。だが、本来特定の技能・スキルを活用する派遣業務の使命を考えると、スキルのない新規学卒者を派遣で就業させることに矛盾を感じないではない。いずれにしろ大量採用の”後遺症“が残らないことを祈りたい。
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