ビジネスリーダー新風録 <ソルバーネットワーク>
ICコンサル支援事業で急成長
ソルバーネットワーク株式会社 油屋康 代表取締役社長
IT業界に特化したIC(インディペンデント・コントラクター)コンサルタントの業務委託紹介事業を展開し業績を伸ばしている。油屋氏が起業前の会社でIT業界のコンサルティングファームに特化した人材スカウトを展開していた頃、担当していたICから安定的な仕事の供給をしてくれないか、と強い要望を受け着想を得た。
ICコンサルタントとは雇用契約ではなく、業務単位の請負契約を複数企業と期限付きで結び、活動する高度な専門知識を持つ独立した個人事業主のこと。仕事を自分で選べ、自由な時間の使い方ができるとして注目されている。日本でこうした働き方が根付くかどうかは別として、米国では既に1000万人近くがこのICといわれている。
当然のことながら高度な専門知識がICの働き方を支えている。日本における彼らの多くは、誰もが知るような一流の大手コンサルティングファーム出身者だ。月間150万円以上の収入を得ることができるIC約150人を組織化し、元請となる戦略・会計系コンサルティングファームやエンドユーザーの情報システム部門と業務委託契約を締結して、CIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)やCIO補佐として送り込んでいる。
このビジネスモデルが顧客からも、ICからも支持され、いまでは約150人のICを抱えるまでに成長した。IT業界特有の複雑な業務委託の階層を省くことによるコスト削減やプロジェクト毎の業務委託で人材を調達できると好評だ。
油屋氏が人材ビジネスに興味を持ったのは26歳の時。日本のヘッドハンティングの草分け的存在である東京エグゼクティブ・サーチ会長の江島優氏の本を手に取ったことがきっかけだった。感動した油屋氏はすぐに江島氏に会いに行く。そこで、「君はまだ若い。今しかできないことを色々と勉強してからでも遅くはない」とアドバイスを受けたという。
若き日の江島氏のブラジル、米国渡航という経験を模して、混迷するロシアに今後のビジネスチャンスありと、当時の日ソ貿易協会会長に直談判しモスクワ大学留学の機会を得る。5年間のモスクワに滞在で、ロシア語を習得して帰国。晴れて東京エグゼクティブ・サーチに入社し、人材コンサルタントとしてのスタートを切る。その後、フルキャストウィズの事業立ち上げ責任者として声が掛かる。悩んだ末に同社を退社して設立に参加した。
05年には自ら起業して現在のソルバーネットワークを設立する。3期目となる今期の売上げは、人材紹介事業も含めて3億円を見込む。IC事業は3年後にIC 1000人を確保し、10億円の売上げを目指す計画だ。また、9月には新事業として、日本で就業を希望する国内外の高度外国人材を支援するウェブサイトを立ち上げる。
労を厭わない「仕事好き」を自認する油屋氏。ソビエト連邦崩壊という混迷の時期をロシアで過ごした独自の世界観と構想力、そして並外れた行動力が、ソルバーネットワークの大きな強みとなっている。
プロフィル1963年生まれ。84年国立豊田工業高等専門学校卒業後、小松製作所入社。91〜93年モスクワ大学留学。84年日系商社ミール社モスクワ事務所駐在員。96年東京エグゼクティブ・サーチ入社。98年フルキャストウィズ人事コンサルティング事業部部長を経て、00年フルキャスト人事コンサルティング取締役。00年エグゼコミュニケーションズを設立し、取締役会長に就任。02年フルキャストテクノロジーHRソリューション事業部長。05年ソルバーネットワーク代表取締役社長、現在に至る。
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