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ソフトウェア技術者の不足深刻化 <日本人材ニュース>

10/1 11:10  採用

業界研究 「組み込みソフトウェア」の人材採用事情
技術革新で需要が拡大深刻な技術者不足で育成が急務 組み込みソフトウェア業界が岐路に立たされている。国際的な競争力を強め、「ものづくり国家・日本」を復活させるためには、どのような意識で今後を見据えていかなければならないのか取り組むべき課題を探った。

技術革新で需要拡大し、技術者の採用・育成が追いつかず
 精密化、高性能化が進む携帯電話やデジタル家電等に内蔵され動作・機能を制御する電子機器の稼働システムを「組み込みソフトウェア」という。
 技術革新で開発に占める組み込みソフトウェアの割合が高まり、自動車に至ってはエンジン制御、カーナビ、パワーステアリング、エアバックなどほぼ全体に組み込みシステムが内蔵される。
 組み込みソフトウェアの大規模化と複雑化により、各メーカーは開発期間の短縮や開発コスト低減に迫られ、近年は自社部門で開発するのではなく、外部の組み込みシステム会社を活用する傾向にある。
 社団法人組み込みシステム技術協会・田辺皓正氏主任研究員は業界の現状について「新製品開発のサイクルが早くなった上、開発に要するスキルやノウハウ、品質管理などに対し、これまで以上に高度な能力が求められている」と話す。
 そのため人材の確保は困難を極めている。ITは3Kというイメージが定着してしまい、電子・情報系の学科を志望する学生を減少させているためだ。生産性の低下や技術継承の問題が生じている。若手技術者不足に伴い、中途採用を強化する企業も多くなった。
日本の優位性失われ、中国、インドが台頭
 業界の人材事情について、ITエンジニアの人材紹介会社テクノブレーン(東京都渋谷区)の能勢賢太郎社長は次のように話す。「すでに転職市場にも組み込みソフトウェア技術者がまったくいません。それに加え、コストが安く、技術力の高い中国や韓国、ベトナム、インドなどへのアウトソーシングが普及し、日本の国際競争力は著しく低下している」 
 さらに、日本の技術者のレベルについて能勢氏は「インドや中国の技術者はキャリア志向が強く、積極的に海外に出てスキルアップを図っている。日本人は世界トップクラスのものづくり技術力を有するといわれているが、国際比較したときに果たして現在の技術者レベルは高いといえるのだろうか」実際の現場では目の前の仕事に忙殺され、若い世代に対するフォローや教育にも手が回らず、結果として技術の伝承を妨げている現実がある。 
 こうした問題に対し業界では技術者確保のため同協会が中心となり、技術レベル向上と人材キャリア形成を目的とした「組み込みソフトウェア技術者試験」を設け、06年11月に開始。これまでに約1000人が受験した。
外国人技術者の活用に活路見出す 
 深刻な人材不足により外国人技術者の活用に目を向ける企業も現れはじめた。外国人技術者活用がかつてうまくいかなかった経験を持つ企業も、再び受け入れざるを得ない状況だ。外国人活用を成功させるマネジメントについて能勢氏は「出身国の文化を理解し、指示できる日本人リーダーが必要」と指摘する。 今後も組み込みソフトウェアの開発需要は高まり市場の拡大傾向も続くと予測されている。
 国際的な競争に勝ち残るためには、まず一番重要な資源である人材面を充実させる必要がある。次世代の技術者を輩出していくことも視野に入れた取り組みをしなければ、10年後には国内の組み込みソフトウェア技術者の人口は激減しているだろう。 さらに根本には「子供の頃から『ものづくり』に触れさせる機会を多くすることから始めなければならない」(能勢氏)という大きな課題が横たわっている。

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