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専門職、MRともに流動化強まるメディカル業界

2008-04-11 11:19   ()

専門職、MRともに流動化強まるメディカル業界

求人・転職の動向を人材会社の担当者に聞く

メディカル業界では企業の再編が進んでおり、その影響から人材の放出や移動など、人材の動きが活発化している。

また、これまで内部で行っていた業務を外部委託する動きも広まるなど、企業組織の形も変わりつつある。

今回はメディカル業界に詳しい人材関連会社のコンサルタントである、ケリーサービスジャパン株式会社 KSR部ゼネラルマネージャーの片岡達彦氏、アポプラスステーション株式会社取締役・CSO事業部長の村山尚氏に、最近のメディカル業界における人材動向について伺った。

 業界特集協賛企業 : ケリーサービスジャパン株式会社 アポプラスステーション株式会社


将来のキャリアパスを不安視

客観的視点を求めて人材会社へ

 
メディカル業界全体では現在、どのような人材流動が起きているのだろうか。

ケリーサービスジャパンでは、医薬・医療・バイオ・化学食品業界に特化したKSR部を設け、メディカル業界全般の人材紹介を行っている。KSR部ゼネラルマネージャーの片岡達彦氏に話を聞いた。

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「医薬業界では、合併やM&Aにより人材の流動化が進んでおり、そのため早期退職を希望する人材も増えている状況です。医療機器業界は、以前から転職が活発な業界でしたが、相談者は増加傾向にあります。特に薬事法の改正により、薬事経験者が求められています。またバイオ業界では、ベンチャー企業などが製薬会社などから流出するコア人材を獲得しようと動き出しているところです」

これら人材流動の要因としては、海外企業の日本脱出も挙げられている。これまで日本にAPAC拠点を設けていた世界レベルの企業が、海外へと拠点を移す動きがあるからだ。

「最近でも、日本にあった外資系企業の基礎研究所が廃止となり、そこから優秀な人材が流出した例があります。これまで魅力的だった日本のメディカル市場ですが、中国やシンガポールなどの市場が伸びており、外資系企業が拠点を移すケースが増えています。人材流動についてもグローバルな視点が欠かせなくなってきています」(片岡氏)

海外企業が拠点を日本以外に求める背景には、日本では新薬の申請・承認に時間・コストがかかる上、医療機器については薬事法が欧米に比較して、特殊で煩雑と映っているようなのだ。

それでは、メディカル業界の現場ではどのような人材流動が見られるのだろうか。

「例えば、これまではCRO(受託臨床試験)企業からメーカーへの転職が多かったのですが、この逆のケースが見受けられます。メーカーでのキャリアアップよりも、CRAとしての専門性を究めてプロフェッショナルを目指すケースですね。この他には、研究からコンサルへの業界を超える転職もお手伝いしています。」(片岡氏)


そのため人材紹介会社への相談者には、自分の市場価値を知りたい、業界の相場を知りたい、といった要望を持つ人が増えている。また専門職であれば、より自分のキャリアの実績内容を理解してくれるコンサルタントを求める傾向があるようだ。

「私自身は数年前までバイオ分野の研究者だったのですが、コンサルティング場面では、これらの経験や人のネットワークが非常に生きています。当社は他のコンサルタントも業界出身者ですので、個々の経験や知識が武器となっています」(片岡氏)

もちろん企業側も流出を静観しているわけではなく、以前に比べ人材紹介会社との距離を近づけ、積極的に人材紹介会社向けに説明会を開催するところが増えてきている。求人側・求職側ともに、仲介者を自分の味方にしたい思惑が見えてきているようだ。




 

医薬品営業・マーケティング業務でアウトソーシングが浸透


では、メディカル業界におけるMRの近年の動向はどのようになっているのだろうか。

MR、薬剤師を中心に医療・医薬従事者に特化した人材紹介・人材派遣・教育研修事業を行うアポプラスステーション株式会社CSO事業部長の村山氏は、現状を次のように語る。

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「日本における現在のMRの総数は、製薬会社勤務のMRを含めて約6万人で、ここ数年、メディカ
ル業界再編成の動きなどもあり、人数の伸びは堅調です。

一方、製薬会社では、国の医療費抑制政策、後発商品としての新薬開発等、業界を取り巻く流動的な動きの中で、特に生活習慣病に関する新薬開発に力を入れており、医薬品営業・マーケティング業務のアウトソーシングが増えています。当社のCSOサービスは日本企業として初めて事業化して以来、現在では15社に約400のMRプロジェクトが稼動しています」

即戦力が要求されるMRだが、アポプラスステーションでは、同社のコントラクトMRの約9割が製薬企業のMRとしてのキャリアを持つプロの人材だという。

 また同社では、キャリア採用で未経験で入社したMRに対して、製 薬会社の教育担当もしくはプロジェクトマネージャー経験者等を講師にしたAPSアカデミーでの導入教育、さらにはMR認定試験対策集中講座など、充実した教育研修を行い、またきめ細かいサポートも行っているのが特徴だ。

夜間に及ぶ訪問活動などで、とかく若い人に敬遠されがちだったMRだが、村山氏によると、若い人のMRに対する見方に変化があるという。

「製薬業界はもともと他業界に較べても賃金レベルが高いことに加えて、MRの資格を取ってキャリアを積むということに魅力を感じて志望する人が増えてきています」


さて、人材派遣や業務請負・委託等の労働契約についての法令違反が社会問題化している昨今だが、アポプラスステーションでは、契約先顧客の要望に合わせ、法令上にも迷惑をかけないように、コンプライアンスについての社内体制を確立させているという。

「具体的には今年1月1日より、委受託契約ラインと派遣契約ラインの2つの営業ラインとし、それぞれの仕組み・ルールを作ってインフラを整備して法令順守の体制をしっかりさせ、顧客の理解と協力を得ると共に社内的にも厳しく指導しています」
(村山氏)


また同社では、業界を取り巻く環境変化が続くメディカル業界にあって、顧客に対して、全体の人事政策についての課題解決に向けての相談を受け、提案を行うソリューションを進めているという。


「今、業界では、優秀な女性MRが増えています。製薬会社のそうした社員が安心して産休を取って復職後も働き続けられるよう、産休期間中にコントラクトMRを派遣するサービスを始めました。顧客には優秀な女性MRを採用する手段になりますし、働く女性の就業支援になりますので喜ばれています」(村山氏)


過渡期を迎えたメディカル業界の人材流動化と、人材会社の動きに注目したい。



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