カレラ インタビュー

日本コーン・フェリー・インターナショナル 橘・フクシマ・咲江 日本担当代表取締役 2/2

2007-08-01 14:08   ()
photo.jpg 人材活用の世界的な潮流は“多様性”
日本コーン・フェリー・インターナショナル株式会社
清泉女子大学卒業、国際基督教大学大学院修了。ハーバード大学教育学大学院修士。スタンフォード大学経営修士。ハーバード大学日本語講師や、ベイン・アンド・カンパニー等で経営コンサルタントとして勤務後、1991年、日本コーン・フェリー・インターナショナル入社。1995年、本社取締役。2000年、日本担当代表取締役に就任。著書『自信のなさは努力で埋められます〜世界最大ヘッドハンティング会社の日本法人社長から貴女への提言〜』など、人材・キャリア開発に関する執筆・講演多数。

—グローバル化で日本も本格的なM&A時代を迎えています。

日本経済が70年代から80年代に掛けて高度成長を遂げられたのは、当時日本企業が育成した“企業戦士的な優秀な人材”のおかげでした。日本経済や組織の成功のために滅私奉公も厭わず、働いた人々が育ててきた要件は、組織としての和を大事にする協調性や、チームで動くために必要な資質でした。ところが、ITの発展に伴い、経済のグローバル化が進み、過去に無いほどのスピードが求められています。そうした環境では、以前の日本企業の育てた資質が、逆にマイナスになる場合があります。例えば、個人として決定にリスクをとるということも必要になっています。歴史的なこともありますが、戦後、激変を経験した後、物のない時代から何とか普通の生活が出来るようになるまでは、生活を脅かすようなリスクをとるより、確実に成長できる道を求めてきました。これはある意味当然のことで、安定した社員の雇用や社会を作るために必要なことでした。リスクを少なくすることで、成功したわけです。しかし現在、日本経済の競争力はIMDの調査でも24位と下落しています。海外のマーケットがこれだけ伸びているときに、国内を守ることのみに注力することは不可能になってきています。日本の社会全体が、そうした競争状況に対する認識があまりないという印象があります。

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今日の企業買収の話題なども、外資ファンドの参入に関しても防衛という点を中心に考えていますが、資本は世界中を回っていますし、このIT時代には経済に国境は存在しなくなっています。世界の常識が通じないような社会ではなく、ある程度、外からの刺激を逆に自分たちのメリットとしてどう使っていくかという前向きの思考も必要です。 例えばファンドの投資にしてみても、まず拒絶する姿勢を持つのは、私は非常に危険な反応だと思っています。中国やインドはしたたかにファンドを利用しています。日本でも資本の論理をいかにしたたかに利用しようかという発想に至らないと、このままでは日本経済が縮小してしまうのではないかと感じています。 日本はもともとリスクをとらない社会ですが、リスクをかえりみず挑戦し、成功しているベンチャーは幾つもあります。ところが、世間の注目は、成功しなかったり、不祥事を起こしたベンチャーにフォーカスして、「やっぱりだめだよね」という考えを浸透させてしまっています。メディアの問題でもありますが、もっと前向きの視点を持つべきだと思います。

—人材ビジネスは拡大路線ですが、現在の人材マーケットをどのように見ていますか。また貴社の今後のビジネス展開を教えてください。

弊社はグローバルな展開をしていますので、グローバルな人材マーケットがどうなっているかという視点で人材マーケットを分析しています。以前は、グローバル企業は各国の現地のサーチ・ファームを利用していましたが、10年程前からクライアントのニーズは大きく変化しています。同じサーチ・ファームを世界のどこの市場でも使いたいというクライアントが増えています。したがって、サーチ・ファームには、世界のどの国でも最高の質のサービスを提供するとともに、単に人を探すだけではなく、クライアントに信頼されるアドバイザーとして、資産としての人財に関する問題を解決をすることが求められています。 
このようなサービスをどの国でも提供できるようになるには、少なくても主要な市場では一番である必要がありました。その為には、弊社にとっては、ローカルに強いサーチ・ファームを買収することが近道でした。もう一つは、全世界で同質のサービスを提供するために全世界をネットワークで結ぶためのIT設備の充実を図る必要がありました。そうした戦略的必要性から、資金調達のために1999年に上場を果たし、現在では、グローバルリテイナーのサーチ・ファームとしてはナンバー1になりました。 同時に、最適の人財を提供できるようにアセスメント・ビジネスも展開し、リーダーシップ育成のための問題解決策を提供する「リーダーシップ・デベロップメント・ソリューションズ」というサービスを開始しています。このプログラムでアセスメントをした結果、社内に適任の人材がいなければサーチし、入社したリーダーの成功のためにコーチングも行うというサーチから育成までのソリューションを提供するプログラムです。また、「フューチャー・ステップ」という中間管理職向けのプロジェクト・リクルーティング・アウトソーシングでは、クライアント企業に常駐しオンサイトで支援します。 
今後は、日本でもサーチをメインに展開しながら、その前後のサービスをあわせたタレント・マネジメントのコンサルティングファームとして展開していく計画です。日本では多種多様なビジネスモデルが出てきており、あいまいなセグメントで様々な報酬のストラクチャーが展開されています。またインターネットがメインコンテンツとなった今、どのようにトータルソリューションを展開していくかが、ある意味でクライアントの人材戦略としても、それに応える弊社の戦略としても非常に重要な側面だと考えています。

(日本人材ニュースHRNからの転載)

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