カレラ インタビュー

インテリジェンス 鎌田和彦社長

2007-11-27 10:02   ()

鎌田和彦 株式会社インテリジェンス代表取締役兼社長執行役員

「日々の仕事に一生懸命取り組むことがキャリア形成の第一歩。
成長実感を得るためには、急な変化を求めるのではなく、目の前のことに没頭せよ」

─ご自身がキャリアを形成してきた中でのターニングポイントを教えてください。

inte_kamata1.gif自身のキャリアにおいて、何が大きな岐路だったかを判断するのは難しいですね。表面的に言えば様々な局面がありましたが、ある日突然、劇的な変化が訪れたということはありませんでした。

「キャリア」を振り返るとき、大きな転換を遂げた瞬間や場面が想起されやすいですが、実際にはそのようなものは存在しないと思います。人間の日常はミリ単位でしか動いていません。その歩みの中で自分が向かうべき方向は、相当多くの経験を蓄積しないとわからないものです。変化を感じない毎日の中で薄紙を1枚1枚折り重ねていくように、毎日の積み重ねがあって、ふとした時に「なるほど、こういう道程になったのか」と気づくことが変化を遂げたときだと思います。

私もビジネスパーソンとしては、まだまだ未熟です。自分のキャリアを語るには、より様々な経験が必要だと感じています。インテリジェンスを設立した当時は23歳でしたが、20代でキャリア云々を語るに及ばず、日常的にどれだけ一生懸命仕事に取り組んでいるかということこそが重要でしょう。

─20代・30代の若手ビジネスマンのキャリア形成について感じられることはありますか

自分の求める答えが安易に手に入ると思ってしまう傾向が強いように感じます。しかし、ある日突然自分の能力が一気に高まる、何か良いことが起こる、といった変身願望的なものは間違っています。とても非現実的です。懸命に何かに没頭している人が、ある日突然「こういうことが道として開けたんだな」と自分のキャリアが形成されつつあることに気づくものであって、自分の望む結果や答えが今すぐ欲しいと考えている人に限って、永久に求める結果は手に入りません。

─御社の若手社員にはどのようなことを伝えていますか

まさに今申し上げたことを伝えています。例えば、学生時代に陸上の走り幅跳びをやっていた社員に「突然1m遠くに飛べたことがあるか」と聞いても絶対そんな経験はないはずです。練習を重ねて徐々に記録が更新されていったでしょう。ところが、そういった経験の積み重ねを全く忘れてしまう人がいます。日々の仕事においてなかなか成長実感を得られないから、自分には適性がないと卑下してしまうのです。成長実感なんてそう簡単に得られるようなものではないですし、すぐに能力が高まるといった非現実的なものの考え方は良くないと説いています。

─若手ビジネスマンにアドバイスとメッセージをお願いします

inte_kamata2.gif世の中の流れは非常に速く、激しいです。その一つの例が転職ということにも現れていると思います。企業の人材活用方法の変化や、生活の高度化などにより、個人は自分自身の価値観を重視する姿勢に変わってきました。「みんな一緒」ではない方向に向かっています。それらの要素が複合的に絡んで、転職が盛んになっていると思います。それ故に、転職そのものが過去に比べて物理的に容易になり、心理的にも簡単だという風潮があります。これは実に問題で、世の中の流れだからといって転職という行為そのものを、軽く扱うべきではありません。

転職の絶対的な重みというのは過去から変わらないものであって、結婚や子供が生まれるといった人生における変節点と似ています。離婚率の上昇が問題視されていますが、結婚自体の絶対的な重みは変わらないのと同じです。仕事を変えるということも、従来と比較して絶対的な重みは変わっていません。若手ビジネスマンは、自分にとっての仕事の絶対的な重みというものをしっかりと考えていただくことが大事だと思います。

自身の先行きを考えて、転身するということに対して躊躇は必要ないと思いますが、熟慮は絶対に必要です。考えれば考えるほど、第三者からのアドバイスは必要となり、意味があるでしょう。そのプロセスを我々がお手伝いさせていただければ幸いです。

【プロフィル】
鎌田和彦 株式会社インテリジェンス代表取締役兼社長執行役員
1965年11月、神奈川県生まれ。1988年、慶應義塾大学文学部人間関係学科卒業後、株式会社リクルートコスモス(現・コスモスイニシア)入社。1989年、株式会社インテリジェンス設立に参画。同社取締役、代表取締役を経て、2006年7月1日、株式会社学生援護会との経営統合に伴い、同社代表取締役兼社長執行役員に就任。社団法人日本人材派遣協会理事長も務める。


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